障害者を支える仕事

身体障害者福祉司という仕事を、ご存知でしょうか。身体障害者福祉司は、その名称から、具体的な仕事の内容が、なかなか想像しにくい職種かもしれません。身体障害者福祉司の、主な職場としては、福祉事務所や身体障害者更生相談所などがあげられます。そこで、身体障害者の福祉に関して、事務所員に技術指導を行ないます。また、身体障害者の調査や、更生援護が必要かどうかの判断、援護の種類の検討、本人への指導、相談業務、および、これらに付随する業務のうち、専門的技術が必要な仕事を行なっています。

 

利用者からの具体的な相談内容としては、医療を受けたい、義手や義足が必要である、施設に入所して訓練を受けたいなどといったことが挙げられます。また、その他にも、日常生活や職業上のことで、何か困ったことが出てきたときなどに、相談に応じて、的確な指導を行なう存在です。

 

身体障害者更生相談所では、身体障害者福祉司を含め、その他、医師や心理判定員など、医療・福祉の専門職員がいます。そして、身体障害者一人一人に対して、最も効果的に更生できる方法を考え、技術的な判定を行なっています。利用者に、より良いサービスを提供するためにも、他の職種と連携、協力して、仕事を進めていく必要があります。身体障害者福祉司は、身体障害者福祉法に規定される任用資格です。仕事に就くには、次のいずれかに該当していなければなりません。

 

●社会福祉主事任用資格を持ち、2年以上の実務経験がある
●大学にて指定科目を履修して卒業した
●医師である
●厚生労働大臣指定の養成施設を卒業した
●上記に準ずる学識経験者

 

 

その上、公務員試験に合格しなければなりません。その後、任用資格を持つ人が身体障害者福祉司として配置されます。しかし、必ずしも希望通りに配置されるとは限りません。まず、行政職や事務職に携わったあと、人事異動により、身体障害者福祉士として配置されるという場合もあります。

福祉の分野で活躍している人は、大勢います。その中のひとつに、「知的障害者相談員」という仕事があります。仕事といっても、これらの人は、報酬があるわけではなく、地域ボランティアとして活動しています。全国にいる45万人以上もの知的障害者(18歳以下の知的障害児を含めて)のうち、およそ、7割の人は、自宅で生活しているといわれています。そうした知的障害者本人や、保護者からの相談に応じて、必要な指導、助言を行なうことが、知的障害者相談員の主な仕事です。

 

知的障害者相談員の具体的な活動内容としては、家庭で生活する知的障害者の療育、生活全般に関する相談に応じることです。相談員という名はつきますが、相談を受けるだけでなく、福祉の施設への入所、就学、就職に関して、福祉事務所などの関係機関に連絡するという仕事も担っています。また、これらの活動を通して、地域住民の理解を深め、福祉行政の充実に結び付けていくことも、知的障害者相談員の大切な役割のひとつです。

 

知的障害者の相談に応じる公的な機関としては、知的障害者更生相談所、福祉事務所などがあります。しかし、なかなか、隅々まで相談に応じられていないのが現状です。知的障害者相談員には、これらの公的機関の手の届かない問題や、即対応できない問題について、対応するということが求められています。

 

また、知的障害者の保護者の中から、知的障害者相談員として選出されることが多いのも、この仕事の特徴です。自分の体験を通して得られた知識を、相談活動に生かしてもらうことが、期待されています。知的障害者相談員は、福祉事務所長が推薦し、都道府県知事・政令指定都市市長により、業務委託され、業務委託期間は、2年間となっています。また、きまった福祉施設などに勤務するわけではなく、主に、自宅を拠点にして、地域の相談活動を行なっている場合がほとんどです。

数年前に話題になったテレビドラマの影響から、一時期、手話が大きなブームになりました。その頃、書店には、特設コーナーが設けられたりして、手話に関連する書籍やビデオが、爆発的に売れたという報告もあります。今まで、福祉には縁がなかった人も、福祉の世界に興味を持つ、一つのきっかけになったと言えそうです。

 

聴覚障害者が暮らしやすい社会を実現する上で、なくてはならない存在が、「手話通訳士」という専門職です。聴覚障害者のコミュニケーション手段である手話は、言葉と同様に、地域によって異なったり、時代とともに変化したりしているものです。また、出身地や年齢によっても、表現方法が微妙に異なったりすることもあります。手話通訳士は、このように、変化する言葉の内容を正しく理解して、健聴者と聴覚障害者との間に立って、橋渡しをするという、重要な役割を担っている仕事です。

 

手話通訳は、以前は、ボランティアの一環として考えられていました。しかし、その役割の重要性が認識されるのに伴って、1989年に、厚生省公認の資格試験制度が始まりました。福祉の施設の中でも、特に、聴覚障害者をバックアップする仕事に就きたい人たちには、必須の資格の登場となりました。

 

仕事内容は、手話通訳だけでなく、聴覚障害者の各種相談や指導の仲介に入ったり、病院・役所・学校などに出かける際の付き添いなども含まれます。また、地域社会での手話を必要とするボランティア活動や、福祉活動に対して、啓蒙的な役割を担うなどその仕事内容には幅があります。その分、福祉に対する、より深い知識や、高い技術の習得、熱意が求められる仕事でもあります。

 

実際に、働く現場では、純粋に手話通訳士としてではなく、手話ができる職員として扱われることが多いようです。また、ボランティアセンターに登録して、センターから来る、様々な依頼を受けるという形の、派遣事業に携わる人もたくさんいます。

 

手話通訳士の試験は、20歳以上で、手話通訳経験が3年程度以上ある人が受験することができることになっています。試験は、学科試験(一次試験)と実技試験(二次試験)の2段階で行なわれます。もし、二次試験で不合格になっても、一次試験をパスしていれば、本人の申請により、次の2回の一次試験が免除されます。

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